カール・ベーム

交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
 シュターツカペレ・ドレスデン
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

交響曲第7番ホ長調
 バイエルン放送交響楽団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(76/09/26)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(76/09/29)

交響曲第8番ハ短調
 バイエルン放送交響楽団
 ケルン放送交響楽団
 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 私が大学4年の時だったが、農学部図書館が購入、保管していた古雑誌を処分するというので「音楽の友」(当時は談話室に置いてあった同誌を毎月読んでいた)をもらいに行った。その中にベームの追悼特集号があった。それは相当な分量があり、彼の死が日本でも非常に大きく扱われていたことは十分に想像できた。最晩年のベームは本場ヨーロッパだけでなく、わが国でも神様扱いされていたという話だが、それは私が知っているような朝比奈やヴァントのそれとは比べものにならないほど熱狂的なものだったのだろう。(カラヤンやバーンスタインが亡くなった時に私は日本にいなかったので、同誌の扱いがどの程度のものであったかは知らない。)で、持ち帰った特集号は同じ研究室の1年先輩が欲しがったのであげてしまった。彼は私よりもずっと前からクラシックを聴いていたので、やはりベームには特別な思いがあったのだ。(数冊が手元に残ったのだが、内容はほとんど忘れてしまった。ただし、ホロヴィッツ初来日の特集がスキャンダラスだったことは憶えている。)
 ということで、ヨッフムの目次ページにも書いたように、ベームおよびマタチッチという(私がクラシックを聴き始めた頃には既に世を去っていたために)別にこれといった思い入れのない指揮者のページを今月(2004年10月)は執筆することになった。大丈夫かな?
 ブルックナー以外で私が所有しているベームのディスクで今思い付くのは、モーツァルトの25&29&31番(BPO)、ベートーヴェンの6番(VPO)と9番(VPO70年&80年)、ブラームス交響曲全集(VPO)および1番(BPO)ぐらいである。このうちモーツァルトは重々しいテンポが気に入らなかった(レヴァイン盤に慣れていたため)。ベートーヴェンは上に挙げたもの(6と9旧盤は満足、9新盤は後悔)以外にも聴いたことはあるのだが、大した演奏だとはどうしても思えなかった。ブラームスもBPO盤は速すぎてイマイチ、VPOのは緩くてイマサンぐらい。他には、後輩から借りて聴いたモツレクが、名盤選びでは常に上位に来るだけあってやはり名演だと思った。(が、既所有のリヒター盤やジュリーニ新盤に加えようとまでは思っていない。)今思い出したが、ブル8番ケルン放送響盤とカップリングされている「グレイト」は悪くない。何にせよ、大巨匠ともてはやされた指揮者としては異常に少ない気がする。
 さて、ベームが「ブルックナー指揮者」に入るかは微妙である。上のリストから569番が落ちている。5番には37年のザクセン・シュターツカペレとの録音があるらしいが、戦後、というよりステレオ録音が残っていないのが痛い。何より最重要レパートリーの9番がない。現在執筆中の「ブルックナー指揮者とは?」のページに挙げた他の条件、「三大Bを得意にしていること」および「マーラーを得意にしていないこと」は何とか満たしているのだが。(ベートーヴェンとブラームスはそこそこ評価されているようだし、マーラーは歌曲以外振っていない。)ただ、私としては外したい。この人のディスクを聴いてもブルックナーに対する愛情があまり感じられないからである。

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