リッカルド・シャイー

交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」
 ベルリン放送交響楽団(西)

交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

交響曲第5番変ロ長調
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

交響曲第6番イ長調
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

交響曲第7番ホ長調
 ベルリン放送交響楽団(西)

交響曲第8番ハ短調
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

交響曲第9番ニ短調
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 クラシックファンにとっては古典的ともいうべき「とっても社交的で交友範囲の広い指揮者はだーれ?」というナゾナゾがあるんだそうな。正解は「ユージン・オーマンディ(友人多まんでぃ)」ということらしい。となれば、逆に「とっても内向的で人見知りの激しい指揮者はだーれ?」の答えがこの人ということになるだろうか?(理由はアホらしくて書く気にもならない。)
 ということで、こんなことぐらいしか書くことが思いつかない指揮者であるが、某掲示板のスレッドでは「イマイチ君」などという不名誉なサブタイトルが付けられていたこともある。私も別に注目していた訳ではなく、ブルックナー以外のディスクとしては「マンフレッド交響曲」(チャイコフスキー)と「グレの歌」(シェーンベルク)というどちらかといえばマイナーな曲を持っているだけである。(後者は「廃盤フェア」がまだネットで行われる前の時代に、人混みをかき分けながら入手した品である。一度は聴いてみたかったからであるが、その後ほとんど再生していない。ケーゲルの15枚ボックスにも入っているので最近ついに売ってしまった。)また許光俊が「クラシックを聴け!」で、ジュリーニを除くイタリア人指揮者を「看板に偽りあり」として、アバド、ムーティ、シノーポリなどと並んでこの指揮者も槍玉に挙げていたこともあって、全集録音が進行中だったブルックナーについても特に入手する必要なしと考えていたのだが、その最後を飾る8番の発売直後のネット評が結構高かったので少し気になっていた。そんなある日、アマゾン・マーケットプレイスでたしか1200円で売りに出されていたので即注文。一聴してとても素晴らしい演奏だと思った。そこで後の東京出張時に479番の格安中古(600〜800円)もゲット。さらに手薄の6番もヤフオクから補強した。いずれもレベルは結構高い。3番と5番を聴いていないので断言するのは危険だが、1万以下で手に入るため、あるいは全集としての「ファースト・チョイス」に挙げていいのかもしれない。(カラヤンの全集はやはり4番が異色すぎる。)
 またしても余談だが、この人のトレードマークはやはり口と顎にたくわえた髭である。髭面という点で共通するゲルギエフ(そういえばVPOとのチャイ5で注目されるようになったのも同じ)が日本史の授業でお馴染みのフランシスコ・ザビエルを彷彿させるのに対し、シャイーはバッハの宗教音楽などのジャケットによく登場する例の人を思い起こさせる。(私は仏教徒なので、やはり人間呼ばわりさせてもらう。)指揮者を正面から撮った8番のジャケット写真は、Photoshop等で加工すればそのまま宗教画にもなりそうである。そういえば80年代と比べたらかなりスリムになったようであるが、近影の姿の方がやはり宗教家としては相応しい。(丸々太った教祖にはロクな奴がいないような気がする。)
 なお、当サイトでの批評対象曲としては35番が欠けている。このうち5番については、ネット上に「個性が感じられない」という否定的コメントが出ていた反面、「全集中では2番と並ぶ屈指の出来」や「シャイーの意図がはっきり伝わってくる演奏」というのも見た。(ちなみに後者はアバド盤の次点という扱いであり、シャイー盤の評価が高かったのも何となく肯ける。)こうなると自分の耳で確かめる以外ないが、激安中古を見つけたら別として特に入手にこだわったりはしない。それより文句を付けたいのが3番である。今月(2005年10月)に執筆したシノーポリもそうなのだが、録音が残されているにもかかわらず国内盤はリリースされていない。ユニバーサル・ミュージックの販売担当者はこの曲を軽んじているのか。だとしたら実に怪しからん話である。(2006年3月追記:シャイーの3番は1987年5月24日にF35L-50333として発売されていたことが判明したので、ここに訂正する。とはいえ、以降全く再発していないため、お詫びまではしない。)

2005年1月追記
 先月末、立て続けに3番と5番に手を出してしてしまった。こうなるなら最初から素直に輸入盤の全集を買っておくんだった。(全部中古なので7枚合わせても1万しなかったけれど、)結果的に高くついた。

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