フランツ・コンヴィチュニー

交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 or ウィーン交響楽団

交響曲第5番変ロ長調
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

交響曲第7番ホ長調
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

交響曲第8番ハ短調
 ベルリン放送交響楽団(東)

交響曲第9番ニ短調
 ライプツィヒ放送交響楽団

 アルファベットで綴ると "Konwitschny" である。末尾のyが母音として使われているものの、普段ローマ字表記で使うものとしてはiとoの2つだけである。9対2、まさに多勢に無勢である。(何やそれ?)こういう人名も珍しいのではないかと思うが、何にせよ字面からは仰々しい感じを受ける。いかにもドイツ的というか重厚な音楽を奏でそうな名前である。とはいえ、私は別に姓名判断に興味があるということもないし、某評論家のように名前と音楽に関係があると信じているわけではない。念のため。それはともかく、ドイツ語を知らなければ、いや知っていても正しく綴るのは困難だろう。スペリングの試験で出題されたら "Combichunee" と書いてしまうかもしれない。ところが上には上がある。
 たしか角川文庫「ポケットジョーク集」の「スポーツ」の巻で読んだはずだが、フットボール選手がどれほど勉強しないか、あるいは頭が悪いかを皮肉った笑い話だった。超高校級選手を何としてでも入学させようとする大学関係者の会話である。さすがに無試験という訳にはいかないから面接を実施し、そこで学力も問うことになったが・・・・

「あいつは大バカだから試験にはまず通りっこないですよ。」
「なら簡単な問題を出そう。『コーヒーの綴りを答えよ。』
 正解(もちろん "coffee")なら合格、それでいこう。」
「それでも奴には難しすぎます。」
「なら一字でも合ってたら正解ということにするんだ。」

で、そのスター選手は「ケー・エー・ピー・エイチ・ワイ」と口述したという見事なオチが待っている。(蛇足だが "kaphy" も発音すれば [kafi] で同じである。むしろ音を忠実に文字にすればそうなる方が自然だ。)よくできている。ただし、発音と綴りが一致せず、しかも可能な表記が何通りも存在するという英語の特徴(欠陥)を端的に示しているゆえ単純には笑えない話だ。(この際ついでに「空白の一日」まで利用して希望球団に入ろうとした元プロ野球投手のエピソードを。この「怪物」は高校在学中のドラフトではパリーグのチームに指名されたため進学することにしたが、W大に落ちたため結局H大に入った。後日「あれだけの逸材をどうして入学させなかったんだ!」と当局にW大の有力OBが怒鳴り込んだが、スポーツ特待生用の超高ゲタを履かせても合格点には全然届かなかったという回答に引き下がったそうである。こういう裏話をわざわざ書いたのも奴が大嫌いだからに他ならない。)
 などと音楽とは全然関係ない雑談に終始してしまったが、それほどまでにこの指揮者について書くことが何も思い浮かばなかったのである。CD蒐集開始前には存在すら知らなかった。ブルックナー総合サイトの常連投稿者M氏が何度か言及していたため、ようやく名前を憶えたという有様である。(もっとも氏は「コンヴィツニー」などと書いていたが・・・・)ブルックナー5種以外ではネット上で名盤の声が非常に高いベートーヴェン交響曲全集を持っているだけである。(シューマン他と組み合わせたボックスを最初「犬」に注文したのだが、入荷待ち期間中に「塔」でベトのみが安く売られていたのを発見し、他のレパートリーにはさして興味がなかったため寝返ってしまった。)以前地元と東京郊外のブックオフ店内で目にしながら2度とも見送ったのだが、結果的に安く付いた。しかも、以前見かけたセットが1枚ずつプラケースに入っていたのに対し、今回入手した6枚組(edel CLASSICS)は薄型ボックスなので収納場所も取らない。演奏の素晴らしさは評判通り。大満足である。

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