ウォルフガング・サヴァリッシュ

交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
 フィラデルフィア管弦楽団

交響曲第5番変ロ長調
 バイエルン国立管弦楽団

交響曲第6番イ長調
 バイエルン国立管弦楽団

交響曲第9番ニ短調
 バイエルン国立管弦楽団

 許光俊は「クラシックB級グルメ読本」の序にて「退屈きわまりないベートーヴェン全集を作るサヴァリッシュ」という理由でバカ呼ばわりし、さらに「生きていくためのクラシック」でも1980年前後のミュンヘンについて「サヴァリッシュが彼ら(註:クーベリック、チェリビダッケ、およびクライバー)のはるか後塵を拝していたという状態」などと雑魚扱いしていた。ついでながら、親分がダメの烙印を押していた場合には例の売文業者も安心して貶すことができるらしく、サヴァリッシュについても「交通安全週間のキャラクターとしてなぜ警視庁が採用しないのか疑問視されるほどの、安全運転な指揮ぶりが特徴」(クラシック悪魔の辞典【完全版】)、「家内安全のためならぜひ備え付けておきたい」(クラシックB級グルメ読本)などとおちょくっていた。とはいえ、サヴァリッシュも今年(2006年)に83歳を迎え、現役指揮者としては最長老の部類に入る。(ちなみに、ある掲示板には2005年6月17日時点における80歳以上の指揮者が列挙されていた。フルネ (92)、バウムガルトナー (88)、ヴィンシャーマン (85)、フレモー (84)、スウィトナー (83)、スクロヴァチェフスキ (82)、バルシャイ (81)、マリナー (81)、サヴァリッシュ (81)、プレートル (80)、マッケラス (80)、ブーレーズ (80)。このうちザンデルリンク、スウィトナー、そしてフルネは既に引退しているのを確認済だが、バウムガルトナーってまだやってるのかな?)独墺系のベテラン指揮者であれば、たとえ堅実だけがウリの地味な存在であっても90歳に近づくにつれて持てはやされるようになると想像される。ただし、ブルックナーで名演を聞かせてくれるというのが「巨匠」の少なくとも必要条件であるような気もする。そこで、サヴァリッシュにその資格があるか否か確かめるため、既に所有していた6番に加えて他曲も試聴することにした。丁度HMV通販の「クラシカル・マルチバイ・セール("クラシック輸入盤CD3点まとめて買うと20%オフ" キャンペーン)」期間中だったので同じくOrfeoレーベルの59番(それぞれ税込¥2,092也)を注文。それぞれ92年と94年に発売された品なのでボヤボヤしていたら入手不可になってしまうと思ったからである。(ちなみに「尼損」はやたらと高いし、「塔」では検索しても56番しか出てこない。)もちろん同レーベルの1番は無視しているが、フィラデルフィア管との4番も既に同オケの演奏としてオーマンディ盤を持っているため手を出そうとは思っていない。(決して悪徳業者が製造しているからではない。)

追記
 上は以前から準備していた文章であるが、某掲示板に2006年3月8日付で「◆サヴァリッシュ引退◆ご苦労様でした◆」というスレッドが立った。サンタ・チェチーリア管との演奏会をキャンセルし、そのまま引退すると予想されているらしいが現時点では真偽は不明である。判明すれば書き足すつもりである。

追記の追記
 先日(3月26日)放映された「N響アワー」にて2004年に演奏されたベト7終楽章の映像を観た。音楽自体は十分に若々しいものであったが、指揮者は椅子に腰掛けたままで棒振りも最小限に抑えていた。動くサヴァリッシュを見るのは久しぶりだったが痛々しさを覚えずにはいられなかった。あれでは引退もやむなしという気がする。

さらに追記
 本文末尾で触れた5番と9番は最終的に双方とも入荷したのだが、後者にはちょっとばかしケチが付くこととなった(詳細はそちらのページにて)。残念!

2008年9月追記
 ヤフオクで4番を入手。

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