交響曲第9番ニ短調
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン国立管弦楽団
84/12/23〜24
0RFEO C 160 851 A

 目次ページに「ケチが付いた」と書いたが、実は同時注文した内でブル9のみ入荷が遅れたため「発送&入荷待ち」処理を選んだ。が、一向にその兆しが見られなかったから「どうせ入ってこないだろう」と考えていた。そこで、2006年3月末の東京出張時にお茶の水組合(初訪問)にて発見した中古(1050円)を「ラッキー」とばかりレジに持って行った。当然である。ところが何ということか! 戻ってすぐさまキャンセルしようとしたところ、既に発送された後だった。またしてもダブル買いをする羽目になってしまった訳だが、偏にこちらの見通しの甘さが原因であるから誰にも怒りをぶつけることができない(泣)。
 それでも演奏さえ良かったら多少は救われるというものだが・・・・・第1楽章立ち上がりで早々と失望してしまった。あらゆるフレーズがせせこましい。サヴァリッシュがまだ熟成過程にあった時期の録音ゆえ仕方がないのだろうが、6番同様に指揮者の神経質さが私の神経に障るという悪循環の典型のような演奏といえる。ところがビッグバンなど一部ではエネルギーの放出を念入りに行っているから始末が悪い。そうなると速い部分における呼吸の浅さが余計に貧相な印象を与えてしまうことになる。第1楽章コーダはその最悪の例である。要は凝縮型なのか開放型なのかハッキリしない中途半端演奏に終始したのが敗因ということになるだろうか? 両端楽章がそれぞれ22分台、23分台という快速テンポなら、大音量部分であっても響きはアッサリしているべきではないか。第2楽章も冒頭からゴチャゴチャした響きと鮮明な音質とのアンバランスが何ともいえぬ不快感を生んでいた。終楽章はセカセカ部分が比較的少ないため出来は悪くなかった。というより、尻上がりに良くなっていくという印象で、特に19分過ぎから約50秒間の超高密度演奏には感銘を受けた。(ただし全休止以降の尻軽はいただけない。コーダで立て直すが・・・・)最初からこれでやってくれていたら名演の部類に加えても良かったのだが、これではいくら何でも。

9番のページ   サヴァリッシュのページ