昨年(註:2001年)のページに自転車での峠越えのことを書きましたので、その続きを。過去に通った県境越えルートについて簡単にコメントします(矢印は私が走行した方向)。(追記:市町村合併による名称変更をその都度記載する。)

1. 石榑峠(東近江市(旧永源寺町)→三重県いなべ市(旧大安町)、国道421号線)
 何しろ当地(彦根)から上山林道→筒井峠経由で永源寺に行くまでが大変。(下山林道は廃道化が進んでいて君ヶ畑には抜けられません。酷い目に遭いました。)名水「京の水」で水分補強してから挑む。途中の小ピークまではキツイが、あとはダラダラ上りで比較的ラク。岐阜県境の峠のように一気に下るのとは異なり、峠を過ぎてからしばらくは満足感を味わいつつ下りを楽しむことができる。ただし四輪&自動二輪の多さには閉口。

2. 鞍掛峠(多賀町→三重県いなべ市(旧藤原町)、国道306号線)
 登り口の大ヘアピンカーブに圧倒されるが、実際に走ってみると坂はそれほど急ではない。後日車で通った時の方がずっと大変だった。(運転がヘタなので本当に恐かった。死ぬかと思った。)トンネルを抜けずに峠に至るルートもあるそうなので、いつかそのうち。

3. 美濃越(米原市(旧山東町)ヒ岐阜県関ヶ原町、国道21号線)
 ここに挙げた県境越えでは最も楽なルート。峠はなし。(ただし関ヶ原〜今須には今須峠がある。)国(酷)道は避け、関ヶ原→今須→柏原→醒井→番場という旧中山道のまったり走行を堪能するべし。さらに先に進めば摺針峠(番場〜鳥居本)越えが楽しめる。

4. 藤川越(米原市(旧伊吹町)ヒ岐阜県関ヶ原町、国道365号線)
 ここも峠なし。大野木交差点(「名水百選」の泉神社の近く)から上りがきつくなる。が、次の信号の少し手前までの辛抱。逆コースだとはるかに長い上り坂であるが、これも降りて押すほどのことはない。(ただし疲弊しての帰宅途中は少々堪える。)

5. 国見峠(米原市(旧伊吹町)→岐阜県揖斐川町(旧春日村))
 国見林道の入り口を見落とさないよう注意。最初はキツイが谷沿いのウネウネルートになればラク。右手に深い谷を見下ろし、その向こうには伊吹山が見える。この眺めは最高。岐阜県側は完全舗装。滋賀県側も着々と進んでおり、今年中に完了するのではないか。

6. 品又峠(別名百池峠、岐阜県揖斐川町(旧坂内村))→米原市(旧伊吹町))
 岐阜側は完全舗装であるが上りは相当シンドイ。また峠直前で道が切れており担ぎ上げで余計に疲れる。滋賀県側(奥伊吹スキー場)は道がない。ゲレンデはスキーで滑降するためのものである。間違っても乗って下ろうとは考えないこと。コンクリートの溝が何カ所も設置してあり、運悪く乗り上げたらタイヤ破損と車輪変形は必至、下手すれば大ケガの恐れも。逆コースの押しは死ぬほどキツイだろう。(シェルパを目指す人向け?)

7. 新穂峠(米原市(旧伊吹町)→岐阜県揖斐川町(旧坂内村))
 峠道を見つけるまでが一苦労。車が通れる広い土道(途中に「新穂峠→」の看板があり)を行き止まり地点まで行く。(国土地理院の地図よりも先に続いている。)その先に沢沿いの峠道が続いている。落葉を踏みしめながら峠までほぼ一直線の急な上り(押し)。滑りやすいので降雨後は危険。逆方向(下り)はさらに危険である。こちらも岐阜側は完全舗装であるが、峠の直下は道が切れているので自転車を先に落とすことになる。

8. 鳥越峠(岐阜県揖斐川町(旧坂内村)→浅井町)
 鳥越林道の長い長い上りは勾配も結構あって辛い。押し一徹を強いられる。が、それはまだ序の口。峠を目前にして「あそこまで行くのか」と見上げながら溜息をつくことになる。滋賀県に入ってからはアッという間に下って麓のキャンプ場に着いてしまった。つまり逆コースは途方もない急坂ということで、走り(押し)甲斐は大いにありそう。

9. 八草峠(木之本町→岐阜県揖斐川町(旧坂内村)、国道303号線)
 八草トンネル完成によって旧道は車の通行が激減し快適な押し(?)が楽しめる。杉林の中を進むのは非常に心地よく、私の最も好きな峠越えである。ただし上りは決して楽ではない。ピークが2つあり、感じとしては鞍掛峠を2度越えるエネルギーが必要か? リピーターには日の裏林道バイパスがお薦め。土道だがかなりのショートカットになる。なお、八草トンネルで岐阜に抜ける場合もかなりの上りで通過に15分かかる。(逆だと5分で済む。)

10. 栃ノ木峠(福井県南越前町(旧今庄町)→余呉町、国道365号線)
 鞍掛峠のような大ヘアピンがあるが、そこに至るまでの上りでかなり消耗しているため、見えた途端に嫌になる。その後もいやらしいウネウネ上りが続く。レベル的にも鞍掛峠と同程度だと思うが、車が多いので心労が加算される。次は365号線を回避して舗装林道(山中栃ノ木線)経由にしようと思う。滋賀県側は一直線の下りでそんなに辛くはない。(ついでに書くと、隣の椿坂峠は逆パターン、つまり北側が直線で南側がウネウネである。)

11. 倉坂峠(別名刀根越、余呉町→福井県敦賀市)→柳ヶ瀬トンネルは軽車両通行禁止!
 余呉町柳ヶ瀬集落内の旧道沿いに倉坂峠古道の看板がある。そのまま土道を(途中の看板に注意して)進めばOK。最初はつづら折りであとは比較的平坦。ちょっとしたハイキングコースといったところか。ただし夏以降は日当たりのいい所は植生が繁茂して道が解りにくい。敦賀側は玄蕃尾城を訪れる人のために舗装されている。

12. 新道野越(福井県敦賀市→西浅井町、国道8号線)
 かつて麻生口から越えた時はあまりきつく感じなかった。(ただし敦賀市街から延々と上ったらウンザリしただろう。)とにかく8号線は交通量が半端でなく、歩道も整備されていないのでなるべく回避したい。(次の深坂越や大浦街道を利用する手もある。)

13. 深坂越(福井県敦賀市→西浅井町)
 福井県側は本格的なハイキングコースであり、一部は雨による浸食が見られるものの、まずまず整備されている。大きな看板の所で左に折れれば急な上りとなり、あとは一本道。11とは逆に滋賀県側が舗装(一部砂利)されており、こちらを下りにする方が無難。

14. 国境越(別名愛発越、高島市(旧マキノ町)→福井県敦賀市、国道161号線)
 県境なのになぜか国境(ただし読みは「くにざかい」)などとくだらんジョークを飛ばしたくなるほど書くことがない。滋賀県側は直線の登り、福井県側はクネクネ。交通量は新道野(8号線)よりは少ない。次回は国境には行かず途中から在原に向かう予定。

 ということで、15番目に来るのは武平(ぶへい)峠(甲賀市(旧土山町)〜三重県菰野町、国道477号線)、あるいは黒河峠(高島市(旧マキノ町)〜福井県敦賀市、白谷黒河林道)、それとも決死の覚悟(かなりの悪路らしい)で粟柄河内谷林道or粟柄越(ともに高島市(旧マキノ町)〜福井県美浜町)か?
 お気づきの方もおられるでしょうが、2と3の間には五僧峠(多賀町〜岐阜県上石津町)が入るはずでした。しかし、昨年上石津側からアタックした時には、新道の建設による土砂が峠道を塞いでしまっていて進めず、泣く泣く引き返す羽目に。今年は多賀側から峠までは行けたのですが、方向音痴で地図も読めないために道を途中で見失ってしまいました。無念!
 なお白瀬峠や治田峠などは登山道経由(歩行者用)なので行きません。山蛭の攻撃が凄まじそうですし・・・・(昨年汗ふき峠で3匹に食い付かれました。)他に湖北には由緒ある県境越がいくつかあったそうですが、人通りが絶えた現在では廃道と化しているようです。


2005年12月追記
 上記以降に通ったルートを順に書き足していくことにした。リンクをクリックすればそれぞれの走行(あるいは担ぎ越え)記録に飛ぶ。

15. 黒河峠(別名黒河越、高島市(旧マキノ町)→福井県敦賀市、白谷黒河林道)

16. 粟柄越(高島市(旧マキノ町)→福井県美浜町)

17. 粟柄河内谷林道(福井県美浜町→高島市(旧マキノ町))

18. おにゅう峠(高島市(旧朽木村)→福井県小浜市、林道小入谷線)

19. 若狭街道(福井県若狭町(旧上中町)→高島市(旧今津町)、国道303号線)

20. 鈴鹿峠(甲賀市(旧土山町)→三重県亀山市(旧関町)、国道1号線)

21. 安楽越(甲賀市(旧土山町)→三重県亀山市(旧安坂山町)、通ったのは新道の方)

22. 武平峠(三重県菰野町→甲賀市(旧土山町、国道477号線))

さて次となると難しい。鈴鹿峠以南では甲賀市(旧甲賀町)余野から三重県伊賀市(旧柘植町)倉部に抜ける県道4号線(草津伊賀線)があるが、JR草津線と併走していることからも想像できるように大して起伏がないため魅力を感じない。以西の複数ルートも同様である。それに近江鉄道利用は懲りた。旧信楽町まで足を伸ばせば桜峠や裏白峠など面白そうな道があるが、前文の理由に加えて信楽高原鐵道はそもそも自転車持ち込み不可ときている。(2006年10月追記:実際には貴生川駅以外、すなわち次の紫香楽宮跡(しがらきぐうし)から雲井、勅旨(ちょくし)、玉桂寺(ぎょっけいじ)、そして終点信楽の5駅については持込可能らしい。しかしながら、近江鉄道と接続している肝心の貴生川はダメだという。これでは地元以外の自転車乗りに対して実質的に「利用するな」と言っているに等しいではないか!)一方、湖西には旧朽木村から京大演習林に出るコースが残っているが、ひとたび京都に入ったら滋賀に戻ってくるのが大変なので湖南同様に自走での日帰りは不可能である。(輪行必至だが気が進まない。)こうなると五僧峠道の一日も早い完成が待たれるが、近いうちに開通するという話は聞かない。おそらく23番目は近江坂から福井県若狭町(旧三方町)能登野に降りるルート(ほとんど押しと担ぎ)になるだろう。


2006年9月追記:今年新たに以下のルートが加わった。先に予想した通りである(ただし一部区間のみ)。

23. 近江坂(高島市(旧今津町)→福井県美浜町(旧三方町))

なお今更ながら気が付いたが、朽木村(現高島市)の幹線道路である県道783号線(麻生古屋梅ノ木線)は一部区間が京都府に食い込んでいるため、実は県境(厳密には府県境)を2度(朽木村小川〜京都市左京区久多川合町〜大津市葛川梅ノ木町)にわたって越えていたのである。失念していたのは負荷があまりにも小さいからに他ならない。もちろん道草程度の越境であるからコレクションには認定しない。

2007年10月追記
 今月14日に湖西の地蔵峠(高島市(旧今津町)→京都府南丹市(旧美山町))越えコースを完走した。おそらく滋賀県では最西端に位置する越境ルートである。

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