実は私は3番以前の交響曲は全くといっていいほど聴かない。購入したディスクは職場で1回(試聴)、自宅で1回、通勤車内で1回と最低3回は聴くようにしているが、4回目を聴こうという気にさせた演奏はこれまで皆無である。(「今日はまとめて○○のブルックナーを聴くぞ」という日でも初期は避ける。)実はベートーヴェンも以前はそう(「英雄」以前はつまらん)だったのだが、ノリントンの全集を聴いて衝撃を受けると同時に1番と2番の素晴らしさに開眼した。今では両曲とも大好きである。ブルックナーでもノリントン盤に相当する快演に出会えれば目が覚めるのかもしれないが・・・・・
 初期交響曲の中では0番がまだしも好きな方である。00〜2番の中では一番出来がいいのではないか、少なくとも1番よりは優れていると思っていたが、作曲も1番より後だったと後に知った。0番はNHK-FM日曜夜の「クラシック・リクエスト」(大友直人の時代だからかなり前)でロジェストヴェンスキー&ソヴィエト国立文化省響の演奏を聴いた。同じニ短調の9番以上に殺伐とした雰囲気で、「カラッカラに干からびた砂漠のような音楽だな」という印象を抱いたことを覚えている。が、その殺伐さが結構気に入った。2004年4月にロジェヴェンのブルックナーを楽天フリマでまとめて購入する機会があり、あの0番が8番とカップリングされているのではないかと密かに期待していたが、届いてみたら8番単独収録のビクターの初期盤で残念であった。あの思い出の0番を聴く機会はもう来ないかもしれない。でも絶対に8番を買い直したりせんぞ! →2008年7月追記:キター!(←もちろん山本高広の口調で)


交響曲第00番ヘ短調
 スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン放送響
 インバル&フランクフルト放送響
 ロジェストヴェンスキー&ソヴィエト国立文化省響

交響曲第0番ニ短調
 スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン放送響
 インバル&フランクフルト放送響
 ティントナー&アイルランド国立響
 朝比奈&大阪フィル
 メータ&イスラエル・フィル
 ロジェストヴェンスキー&ソヴィエト国立文化省響
 ハイティンク&コンセルトヘボウ管

交響曲第1番ハ短調
 スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン放送響
 インバル&フランクフルト放送響
 朝比奈&日本フィル
 ヴァント&ケルン放送響
 ヨッフム&ベルリン・フィル
 ヨッフム&シュターツカペレ・ドレスデン
 カラヤン&ベルリン・フィル
 バーンズ&ベルリンRIAS管
 ハイティンク&コンセルトヘボウ管

交響曲第2番ハ短調
 スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン放送響
 インバル&フランクフルト放送響
 朝比奈&東京都響
 ヴァント&ケルン放送響
 ヨッフム&バイエルン放送響
 ヨッフム&シュターツカペレ・ドレスデン
 カラヤン&ベルリン・フィル
 ジュリーニ&ウィーン響
 ヨッフム(弟)&リンツ・ブルックナー管
 ロジェストヴェンスキー&ソヴィエト国立文化省響
 ハイティンク&コンセルトヘボウ管

 入手した順にスクロヴァチェフスキ、ヨッフムであるが、いずれも途中で退屈してしまい、プレーヤを止めたくなった。あるいは寝てしまった。次のヴァント盤にも、(6番でも同じことを書いているが)つまらない曲を一生懸命つまらなく演奏しているという印象を持ってしまった。やはり「カラヤン・サウンド」で派手派手に演奏してくれたカラヤン盤は聴き応えがあった。意外と良かったのがインバルである。他のページでも書いているとは思うが、彼は初稿演奏の348以外では実力を発揮していると思う。
 なお、ここに挙げたのは全集に収録されていた、あるいは他の番号と一緒に収録されていたといういわば「おまけ」として入手したものがほとんどである。例外はインバルとカラヤンの2番。インバル盤(ULTIMAシリーズの2枚組×2)はHMVのポイントが失効しそうな時にあいにく欲しいものがなかったので仕方なく買った。カラヤンの2番は海外通販(amazon.com)で廃盤を検索した際にたまたま見つけたのを(安くはなかったが)出来心で買ってしまった。カラヤンは5番に1番がカップリングされており、欠けているのが2番だけだったから手を伸ばしたのであり(註)、普通なら一通り揃えるためにわざわざつまらない初期交響曲を買ったりはしない。ということで、今後ここに挙げるディスクの枚数が増えるのは望み薄である。
 ただ、ジュリーニの2番は名演ということなので、安いのを見つけたら(1000円以下なら)買うかもしれない。と言いながら、実は名古屋の中古屋ではTESTAMENT盤を見つけながらどういう訳か見送ってしまったのである。(しかも高くなかった。)後悔先に立たず。オークションでは結構値が上がって手が出ない。(2004年7月追記:amazon.co.jpのマーケットプレイスでセラフィムシリーズの国内盤TOCE-1569を入手した。諸経費込みで1640円、定価より高く付いたがやむを得まい。このディスクに限って感想を書く、かもしれない。)

註:CDや書物をコツコツと集めてきたが、どうしても全部揃わないという時に重複を覚悟で全集を買い直す(そしてバラは売りに出す)という人は少なくないと思うが、私はそこまではしない。(結果的にバラで揃えるのが高くついたとしても。)売るとしても近くには二束三文のブックオフしかないし、オークションやフリマに出すのは面倒なだけでなくトラブルに巻き込まれたらと思うと腰が引けてしまう。

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