交響曲第8番ハ短調
ギュンター・ヴァント指揮バイエルン放送交響楽団
84/06/18〜19
The Bells of Saint Florian AB-6〜7

 正規盤がコンスタントに発売されていたヴァントだけに、海賊盤として出回っているCDが少ないのは当然といえば当然なのだが、改めてディスコグラフィを作ってみたら自分が当盤1種類しか持っていなかったのは驚きだった。(他にあるのだろうか?)このディスクは「悪魔の店主」(8番NDR2000年盤のページ参照)から買ったが、確か本体価格2400円だったと思う。安価な中古を見つけたら買いだと思うが、オークションで高額入札してまで入手する価値があるかといえば疑問。79年盤のケルン放送響盤とトータルタイムもトラックタイムもさほど違わないし、解釈が5年で極端に変わったということもないからだ。ただし音質は極めて良好である。少なくともケルン盤(ただし私が持っているのは旧規格)よりは上、もしかしたらヴァントの8番中最高かもしれない。
 2000年NDR盤のページでも触れているが、某巨大掲示板のヴァントのスレッドに彼の各種8番CDについての短評が載っていた。2000年盤が「まったりヴァント」で、この演奏は「バリバリヴァント」なのだそうだ。確かに金管がよく鳴っており、聴いていると気分爽快である。当盤をベストに挙げている投稿も何度か目にしている。しかし、私自身はあまりこのディスクを聴く機会はない。ケルンの全集はなんだかんだ言いながら(ここでは軽く扱っていても)3番以降を通しで聴いたりすることもあるのだが、この盤やギュルツェニヒ盤を単独で聴こうとして棚から取り出すことはまずない。
 実はヴァントのディスク評の最後のページとして、当盤を聴きながらこれを書いているのだが、何を書いたらいいか思い浮かばない。弱った。これからヴァント以外の指揮者のページを作っていくことになるのだが、こんな風に頭を抱えるようなディスクが多数あるだろうと考えたら気が重くなってきた。暗雲が立ちこめたまま終わる。

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