交響曲第5番変ロ長調
ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団
89/10/08〜10
BMG (RCA) BVCC-37088
「クラシックの聴き方が変わる本」で許光俊が「最後の圧倒的な鳴りっぷりがまったく伝わらないことおびただしい」と評したCDである。これはやはり実演を聴いた人の意見であろう。「実演と違う」はもっともだが、音の加工品(しょせんはナマでなく缶詰)としては十分すぎるほどのクオリティを持っている。このようなバランス(どのパートもそれなりによく聞こえる)のCDはちっとも珍しくない。むしろケルン放送響盤のような金管しか聞こえないというのが異常なのだ。ケルンを剛とすればこちらは柔。しなやかさが最大の魅力である。
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