交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
ホルスト・シュタイン指揮バンベルク交響楽団
87/10
BMG (RCA) BVCC-38196

 ヴァント90年盤やスウィトナー盤と同タイプ、つまりこれといった欠点のない演奏である。全曲を通して私が「やや速い」と感じるテンポを採用し、極めて流れの良い音楽を聴かせてくれる。ただし、先述した2種よりは自己主張を感じる。指揮者の解釈というよりは所々で弦のトレモロや金管の強奏、あるいはティンパニの強打が耳に付いたためかもしれない。(それでいてヴァントのような神経質さは全くないのが不思議といえば不思議だ。)よって以前採り上げたホルライザー盤同様、バンベルク響の音色を渋いとは全く感じなかった。あるいは重さや暗さが足りないとして第2楽章に不満を抱く人がいるかもしれないが、楽章間のバランスを考えたらあれでいいと思う。併録の「リエンツィ序曲」も名演であるし、値段も安い(税込1200円)ので「ファーストチョイス」でも良いかもしれない。

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