交響曲第5番変ロ長調
ロベルト・パーテルノストロ指揮ロイトリンゲン・ヴュルッテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
01/06/23
ebs recording ebs 6135

 この仰々しい指揮者名はネットオークションで初めて知った。当時、単発盤が既に何枚か出ており、お試しに1枚聴いてみようかと思ったりもしたのだが、新品を買うつもりは更々なく、ヤフオクでも(最低でも2000円前後まで騰がったため)敗北続きだった。ところが昨年(2007年)12月にいきなり全集が発売。安ければ手を出そうかとも考えていたが、私の希望価格とは2倍近い開きがあったため断念。とはいえ、それを購入した人がバラを処分することは容易に予測でき、事実そうなった。今年2月に650円で出品された当盤を無競争落札に成功。
 HMV通販の紹介文に「ヴァインガルテン大聖堂におけるライヴ録音」とあった。つまりギュラー&エスリンゲン青少年南独フィルによる第9番と同じ演奏会場のようだが、とにかく残響が尋常ではない。ボッシュ&アーヘン響盤のページには「凄まじい」と書いたが、そのさらに倍以上は長いのではないか?(ヴァントの89番リューベックライヴよりも上だ。)ただし、その割にはソロや対旋律などが埋没することなく聞き分けることができた。指揮者がパートバランスに細心の注意を払っているためであろう。弦を執拗に弾かせていることから判断するに相当キッチリした「うるさ型」なのかもしれない。(その名から明らかなようにラテン系ではあるが・・・・って、こんな決めつけは良くないか。ちなみに「犬」によるとウィーン生まれのイタリア系らしい。)トラック5の拍手を除いた正味の演奏時間が79分弱と比較的ゆったりしたテンポを採用しているのも良い。
 とはいえ、過剰な残響の前には他の全てが霞んでしまう。第2楽章の長調部分で大きく盛り上がった後(5分40秒以降)のシミジミした味わいなど結構捨てがたいのだが。逆に速い次楽章では音が被さってくる度に苛ついてくる。それを避けるためブロックの切れ目では休止をタップリ取っていたようだが、間延びしているように聞こえてしまったのは痛い。ということで、演奏自体は真っ当&まずまずの出来ながら「際物」扱いがやはり妥当だろう。それでも感動が桁外れであったなら1枚のダブりには目を瞑って全集入手に踏み切っても良いと考えていたが、その目は完全になくなった。今後バラ売りを見かけても余程の激安でなければ手を出すかどうか・・・・

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