交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ウィーン交響楽団
74/06/13
Fachmann fúr Klassischer Musik FKM-CDR-75

 マタチッチが(フィルハーモニア管とのスタジオ録音で使用した改訂版だけでなく)原典版でも4番を演奏していた。当盤にはそれが収められていると知ったため、そこそこ注目していた私だが、ネットオークションではそれなりに高騰したため連戦連敗。ようやくにして2008年6月にピリオドを打つことができた。とはいえ、開始価格から少しばかり上乗せしただけである。もしかするとサブプライムローン問題以来、住宅のみならず中古ディスク市場も冷え込んでいるのではなかろうか?(←んな訳ないやろ。)なお基本的には原典版ながら第1楽章中間部のコラールではティンパニが盛大に鳴る。他に改訂版のアイデアを採用した箇所は確認していない。
 そこそこ期待もしていた私だが、マタチッチらしからぬスケールの小ささにガッカリした。ノーカットなのにトータル62分台というスタスタ演奏が何よりも気に入らない。印象は(当盤同様イマイチだった)フェドセーエフ盤やコンヴィチュニー盤と大差ない。ということで、もしかすると責任はウィーン響の方にあるのかもしれない。(ただしコンヴィチュニー盤はLGOとの演奏の可能性もあるが。)指揮者としても大して思い入れがない曲なので、オケの好むようにやらせたということだろうか? 唯一彼らしさが聴かれたのは第3楽章の4分過ぎ(スケルツォの終結部)で、ティンパニの大立ち回りもあって阿鼻叫喚の様相を呈している。が、よく考えたらここは52年盤では改訂版ゆえに情けなく終わっていたところ。その鬱憤晴らしをしたかったのだろうか?
 最後になるが音質もイマイチである。拡がりはまずまずながら鮮明さに欠け、耳障りなノイズがたまに入る。

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