交響曲第7番ホ長調
オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
64/10/06〜10
Deutsche Grammophon 469 810-2(全集)

 CDデータベース「CupiD」に「オケの実力の分だけ上回る」などとあったので、国内盤(たしか2200円だった)を期待とともに注文したが廃盤で入荷せず。後日輸入盤の"The CENTENARY COLLECTION"で入手した。おまけのモテット2曲がジャマであるが(宗教曲集4枚組ですでに持っていたから)、2004年6月に再発された国内廉価盤を買い直すほどのことはない。音質に不満はないし。
 この演奏はトラックタイムだけ見ると14年後のSKDより若干速いだけなのだが、印象は大いに異なっている。テンポはそれなりに動かしているものの、「あざとい」と思わせるような解釈はしていないのだ。例えば第1楽章の「パーパカパッパカパッパカパー、パカパッパカパッパカパー、パカパッパカパッパカパー、パカパッパカパッパカパ」(6分21秒)も、ヴァントのように音量を極端に下げたりはしないものの、アッサリと通り過ぎてしまう。ここの前後にフォルテ(あるいはフォルティッシモ?)の部分が設けられているで、やはりそれで正解なのだ。コーダもアッチェレランドをかけず、堂々と押し切っている。また、第2楽章のクライマックスもちゃんと打楽器の三位一体攻撃になっている。このように、SKD盤と比べたらはるかに正攻法の演奏といえる。まさか常任指揮者のカラヤンに遠慮したわけでもあるまいが・・・・とにかく、歳を取ってからの演奏の方が暴れているというのもこの指揮者の不思議なところである。ヴァント盤があのザマだし、カラヤンの2種ももう一つ痒いところに手が届いていない感じであるので、当盤はBPOによる7番としては私が最も好む演奏といえる。

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