交響曲第6番イ長調
オイゲン・ヨッフム指揮シュターツカペレ・ドレスデン
78/06/09〜13
EMI 5-73905-2(全集)

 (他の曲なら文句を言ったかもしれないが、)地味な曲だけに派手派手な演奏は大歓迎である。第1楽章冒頭で金管の喧しい音が左右から代わる代わる聞こえてくると嬉しくなってしまう。かと思えば、1分44秒では一転してテンポを落とし、2分12秒頃までしんみりと聴かせてくれる。そこが終わると再びテンポを上げてノリノリに戻るというように、小刻みにテンポと表情を変える。これの繰り返し。リズムを強調するショルティとは全く違ったやり方によって劇性を創り出すことに成功している。以後の楽章についても全く同じことがいえる。ただし、1楽章のエンディングはショルティ盤に次ぐ立派さだったが、終楽章はせっかちな終わらせ方だったので物足りなさが残った。彼らしいといえばそうなのだが。
 なお、バイエルン放送響との旧録音(66年)の方が評価が高いようで何とか入手したいと考えているのだが、旧全集は新全集の2倍以上するし、既に7〜9番まで買ってしまった。それで単発を期待していたのだが、2004年の6月に発売されたのは既に何度も出ている4789番のみでガッカリした。浅岡弘和も「DGの旧全集の方はしばしば廃盤になるし分売されないので入手しづらい。せめて1、6、9ぐらいは単発してくれないだろうか。」と書いているが、6番は名演という定評にもかかわらず全くその気配がない。 契約の問題で出せないのならともかく、DGがBRSOとの録音を軽視しているのが理由だとしたら実にケシカランことである。プンプンプンプンプンプンプン!(←元ネタわかるかな?)。

2005年9月追記
 上を読んだユニバーサル・ミュージックの担当者が私の怒り心頭ぶりに真っ青になったのか(←んな訳ない)、目次ページ下に書いた通り12356番のDG国内盤がついに単発されることになった。

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