交響曲第6番イ長調
オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
80/11/02
Tahra TAH 171〜174

 2年前のSKDと演奏時間が最も異なっているのが第1楽章で、17分台(冒頭の拍手を除いて実質17分20秒)というのはかなり遅い部類に入る。序奏後の主題提示部はスケールが格段に大きくなった。その点ではショルティ盤といい勝負である。ただし、その分だけ豪華絢爛さ(←地味な曲だけにそれが不足した演奏は私には物足りない)が後退した感じである。(ショルティ盤が凄いのは、それらを両立させていることなのだ。)とはいえ、6番の中では非常に高レベルの演奏であることは間違いない。同楽章コーダでのテンポをグッと落としての着地も実に見事で。ここでもショルティを彷彿させる。「派手派手だがスカスカ」という演奏スタイルからヨッフムが脱却を図ったのは、この頃からではないかと私は考えている。終楽章の勢いだけでゴールになだれ込むような締め方はSKD盤と同様であるから、やはり当盤を過渡期の演奏と位置づけるのが妥当であると思う。(あそこは8番お終いの「ミレド」と同じで、アッサリ終わってしまうのはちょっと勿体ない気がする。)

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