交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
75/01/16
Tahra TAH 171〜174

 ヨッフムの、というよりコンセルトヘボウ管による4番のディスクが欲しかったので買った。(その後、アーノンクール盤とシャイー盤が加わる。)第一候補はハイティンクだったが、彼のACO盤は宇野が酷評した全集でしか入手できないので、代わりに目を付けたのがこのTahra4枚組である。既に廃盤だったのでネットオークションに出品されるのを気長に待って首尾良く3000円台で落札した。先に入手していた8番がダブったが、まあ安い買い物だった。(現役盤だった456番の4枚組に焦って手を出さなくて正解だった。それだと5番がダブるし、7番の入手が極めて難しくなっていたからである。)
 ヨッフムはもともと劇性がウリの指揮者だから、スタジオ録音と比べてライヴの方が特にノリが良いということはないようである。当盤もSKD盤と同じく改訂版の解釈も取り入れた劇的演奏であるが、SKD盤のように激しさに圧倒されるということはない。例えば第2楽章終盤のクライマックスに向けての加速は控え目で拍子抜けしてしまった。とはいえ、第4楽章冒頭のタメの作り方や、同楽章15分39秒から16分にかけてのキビキビとした歩みはやはりライヴならではである。また、抑制気味と感じさせるのは、オケの音色とホールの特性の両方が原因しているのは間違いない。何しろ音響特性の優れたホールらしい。激しい演奏を優しく包み込んでいるようである。
 ところで、私は2004年3月にドイツに出張(初渡欧)したが、経由地のアムステルダムではコンセルトヘボウの真ん前まで行きながら、めぼしいコンサートがなかったため聴かなかった。(その晩はピアノの演奏会だった。)翌日はハイティンク75歳の誕生日記念コンサートで、曲目はモーツァルトのPC20番(シフ独奏)と何とブル9!! 前日にもブリュッヘンと放送オケのコンサートが開かれていたのである。何とも間の悪いときに寄ってしまったものだ。まあ当日券が取れたかは判らないが・・・・かつて(2003/2004シーズン)戸田和幸がプレーしていたデン・ハーグまで行けば名前を知らない指揮者&オケによるブル5が聴ける可能性があったのだが、方向音痴の私は列車を乗り間違えて変なところに行ってしまうのが恐くて止めた。(ブラッセルまで行ってしまったらエライことだ。)現にその日は空港からホテルまでのシャトルバスの乗り違いをしていたし、アムステルダム市内でも道に迷ってゴッホ美術館に辿り着けたのが閉館直前という体たらくだったのである。なお、その直前に訪れたベルリンでは、あのフィルハーモニーで演奏会を聴くことができた。それについては、あるいはどこかで書くかもしれない。ということで、ここは脱線したままで終わる。

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