交響曲第6番イ長調
ミヒャエル・ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団
01/03/29
haenssler CD 93.058

 シャイーの9番ページでカップリング(バッハ/ウェーベルン「音楽の捧げ物」より6声のリチェルカーレ)に不満をぶちまけたが、当盤のおまけはシェーンベルクによる「プレリュードとフーガBWV552」大オーケストラ用編曲版である。こういうのをわざわざ選んで入れたがる指揮者あるいは制作者の気が知れない。(3番併録のワーグナーは作曲者の心の師だったからまあ納得もいくのだが。)本筋に関係ないからこれ位にするが・・・・(以後もブツブツ、ただし文字にはしない。)
 357番がいずれも快速演奏だったから(ちなみに9番も1時間を切るらしいので若干速め)多分この6番も、と思っていたのだが、トータル57分という平均的あるいはやや遅めの演奏である。第1楽章出だしの「チャッチャチャチャチャ」こそ3番同様に神経質気味ながら、遅い部分はそれなりにしっとり演ってくれているし、再現部直前など結構熱っぽい。終楽章でも激しい爆発が聴かれるし、遅い部分は巨匠を彷彿させるほどにスケールが大きい。こういう「つまらない曲」(←私見)に(こそ?)エネルギーを注ぐというのも、あるいは(鈴木淳史が4番初稿を濃密に演奏している指揮者を評したのと同じく)「ひねくれ」の一つとして考えてもいいのだろうか? そういえば、ギーレンは8番では結構遅いテンポを採っているので2枚組になっている。もしかすると奇数番号と偶数番号を別物と考えているのかもしれない。ワルターを筆頭として、ベートーヴェンでは奇数と偶数とで相性の良し悪しがハッキリ出てしまう指揮者が少なくないが、ブルックナーでこのようにアプローチをガラッと変えるような指揮者は前代見物だ。(まあ十中八九、私の考えすぎだろうが。)
 基本的に速い部分は淡々で遅い部分が濃厚なので、結局どっちにしたかったのか実のところはよく判らない演奏だが、とにかく明晰な響きのためヒンヤリとした美しさが際立っている。

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