交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団
89/10/10
DECCA 466 339-2

 第1楽章冒頭からのゆったりした足取りを聴いていたら18分そこそこで終わるような演奏とは到底思えない。3分54秒過ぎから金管のリズムが少し速くなる(再現部も同様)。そういうのの積み重ねであろう。突如加速する訳でないから耳障りではないかといえば、どうもそうではないようだ。こういうちょっとしたところが鈴木淳史は気に入らなかったのであろう。誰が聴いても解るほど奇妙な解釈ではないため、全否定しつつも遠回しな書き方しかできなかったが(3番ページ参照)。コラール部分も最初は明快な響きだと思わせておいて、金管のサポートは恣意的に強調されており、美しさが損なわれていると感じる人もいるだろう。
 ショルティが典型だが、東欧系の指揮者がUSAのオケと共演する場合には気を付けなくてはいけないということだろうか? 英米のオケは欧州大陸のそれらほど明確な個性を持っていないとはよく言われるが、それだからこそ逆に指揮者の意図が裸で出てきてしまうということもあり得ると私は考えている。第3楽章までは自己表現を抑制してきたドホナーニも、とうとう我慢できなくなったのか終楽章は「やりたい放題」になっている。既に冒頭の響きからして独特である。ホルンによる野蛮な合いの手など、鈴木の好きな指揮者がいかにもやりそうなことに思えるんだがなぁ。これも「間違ってるぅ」だろうか?

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