方針その他
思い入れのあるミュージシャンについては概説用のページを立て、文中に各々のアルバム評ページへのリンクを貼ることにした。そうでない場合はディスク評ページのみとする。この点では「ブルックナーのページ」と似ているが、ランク付けを行わないことが向こうとは決定的に異なる。(同曲異演奏が比較できるケースは極めて少ないので、そもそも無理なのだが。)代わって100点満点による採点を行うこととした。以下その方法について述べる。
米の食味計(味を数値化して評価するための測定装置)に倣い基準点を70点とする(ここからダラダラ余談)。何を測定するかは機器によってマチマチであり、例えば私の職場にある「味度メーター」(東洋精米機製作所製)では、炊飯米の表層に形成される保水膜(炊き上がった時にキラキラ光る部分)の厚さを対象としている。(それが食味との間に有意な正の相関を持つことは既に研究によって明らかにされていた。)ただし、膜の正確な定量は容易でないため、様々な角度から当てた赤外線の反射を読み取ることから推定、つまり光学的分析による間接測定を行っているのであるが、それでも高得点を出したサンプルは官能試験(別名「パネラーテスト」、いわゆる人間の「ベロメーター」による試験)でも高く評価される傾向が認められている。他にも餅つきのようにペッタンペッタン搗いてテクスチャー(物理性)を測定するもの、グルタミン酸やアスパラギン酸などの旨味成分を化学的に分析するものなど、異なる原理に基づく測定装置も開発&市販されているが、それらの多くは「基準米」が70点となるように設定されている。(ちなみに、財団法人日本穀物検定協会が定めた食味試験用の「基準米」は滋賀県湖南地区産の日本晴である。ついでながら、既に「にほんばれ」の呼称が広まってしまっているものの、正式名=品種登録名は「にっぽんばれ」であり、今も植物育種に携わる人達の間で使われている。こんなん10ヘェ〜にもならんか。)さて、その「味度メーター」が80を出した米は実際食べてもかなり美味い。過去に専業農家出身の指導生(後継者)が家で作っているという米数種を持参し測定したことがあり、その時に最も高得点だったのはヒノヒカリ(主に西日本で栽培される晩生品種)で確か82点だったと記憶しているが、その食味は私の家のコシヒカリよりも断然良かった。(その時つくづく「機械あなどるべからず」と思った。)職場内の圃場で穫れた米について毎年測っているが、コシに食味向上を狙った栽培法を試みても「味度」は80を少し超えるのがやっとである。ところが、わが国では最高ランクの評価を受けている新潟の魚沼産コシヒカリとなると90以上を軽くはじき出すとのことである。あるいは品種や栽培技術以外にも気候(昼夜の寒暖差が大きい)や土質(粘土分が多い)、水の利(ミネラル豊富な雪解け水が流れ込む)などの自然条件に恵まれていなければ得られない値なのかもしれない。(とはいえ努力不足の言い訳になってはいけない。)
閑話休題。そういう訳で、既にお分かりのことと思うが「特に良くもなし、悪くもなし」というディスクを70点として、そこから適当に(主観によって)上げ下げする。ただし、よほど強烈なインパクトを受けない限りは技術的には全く申し分ないと聴いた場合でも90点止まりとする。つまり「常識的な音楽」(←モロ主観だが)に対しては90点を上限とする減点法を採用することにした。よって、もしそれ以上の点が付いていれば私が「人間離れした音楽」「身の危険を感じるような音楽」などと認識したと考えていただいて結構である。90点以上は印象度の大きさに応じた積み上げ方式とするが、あくまで上限は100点として減点法も併用する。(少し違うような気もするが、フィギュアスケート風にいえば「技術点90、芸術点10」となるだろうか?)つまり、70点、90点、100点という3つのクリティカルラインを設けるという少々面倒くさいやり方(今気が付いたがスキーのジャンプ競技と少し似ている)なのだが、結局は主観なのだから自己流でも問題ないだろう。果たして満点は出るだろうか?
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