Come Thelma & Louise(テルマ&ルイーズのように)
1995
Ariola(BMGビクター) 74321-29066-2(BVCF-1543)

 帯に「'95サンレモ音楽祭の覇者」とある。(一方、ライナー執筆者は伊藤史朗。窃盗団「顔魔」の解説ほど酷くはないが、やはり軽薄な文章が並んでいるため辟易させられる。)この受賞(グランプリと批評家賞を獲得)にどのぐらいの価値があるのかは知らないが、とにかく当時から実力は認められていたらしい。(ちなみにラウラ・パウジーニは93年の同音楽祭にて最優秀新人賞を受賞している。)
 1994年のデビュー盤 "Giorgia" に続く第2作ということだが、このアルバムについてはあまり書くことがない。既に "Greatest Hits" のページで述べたように、ジョルジアの類い希な才能を花開かせるには造りがシンプルな初期作品の方が明らかに向いている。(どうして当盤のようなスタイルを続けなかったのかが不可解とすら思えてくる。何となくながら芸風の変化が両盤のジャケットにも反映しているような気もする。ベスト盤の方は厚化粧に嫌悪感を催さなくもないが、当盤ブックレットの写真はどれも清楚な感じで、とくにマイクを前にした歌手の引き締まった表情を収めた裏表紙には好感が持てる。)
 どのトラックも歌唱にはケチの付けどころがなく、高得点は保証されているのだが、惜しいことに感心できない曲が混入している。それが3曲目 "E c'è ancora mare" である。"Greatest Hits" にも収録されることとなったが、「何でや?」と文句を言いたくなってくる。メロディラインが平凡に過ぎ、歌手が実力を持て余しているような感すらある。ニューギニアなど世界各地を舞台としているため正当性はあるのかもしれないが、"Do you need somebody?" という英語フレーズの挿入にも釈然としない思いが残った。ということで、これのみを減点対象として95点。

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