サラ・ブライトマン(Sarha Brightman)
 更新記録ページから飛んでこられた方は「何だ何だ?」と怪訝に思われたかもしれないが、要はこの英国人歌手である。後述するディスクの中国語表記(ただし香港や台湾などで使われている繁字体)が面白かったので使ってみただけである。(ちなみに簡略体は「沙拉布莱曼」で最初と4番目の字が違う。)
 既にどこかに記したように「三大テノール世紀の共演」の初回(1990年)を収録したライヴ盤が私にとってオペラ開眼の第1章となったが、その終盤のメドレーにて歌われたアンドリュー・ロイド・ウェバー(←チェリストの弟ジュリアンがいるので初回は省略せずに記載する)の「メモリー」(キャッツ)は心底からいい曲だと思った。それでウェバー作の他曲も聴いてみようと思い立ち、レンタル屋に足を運んだと記憶している。当時既にブライトマンの名前を知っていたかもしれないが、特に関心はなかったはずである。1984年にALWと結婚していたこともCDのブックレットから知ったぐらいだから。(ちなみに両者は1990年に離婚したものの、仕事上のパートナー関係は維持しているようだ。)
 私が借りたのは14曲入りの「サラ・ブライトマン/アンドリュー・ロイド・ウェッバー・ソング・ブック」である。(おそらく92年初発のPOCP−1201で、2001年にUICY-3121として再発されている。ちなみにジャケットには歌手と作曲家が仲良く写っている。)トラック1の "Don't cry for me Argentina"(アルゼンチンよ泣かないで)を耳にして、もうジーンと来てしまった。既にシニード・オコナー(Sinéad O'Connor、当時は「シンニード・オコナー」と表記)による同曲を所持し、それも気に入ってはいたが、ブライトマンの透き通った声での名唱もまた格別だった。それとトラック5 "Memory" が特に素晴らしく、他も概ね上出来(11曲目 "Phantom of the opera" のみ私的にイマイチ)たっだため、コピーしたテープをよく聴いていた。またトラック15に入っていた "Pie Jesu"(ALW作曲のレクイエムから)からも感銘を受けた。(さすがに餅は餅屋というべきか、バーバラ・ヘンドリックスのベスト盤収録の歌唱のはるか上を行くと思った。)それで全曲を聴きたいと思っていたところ、研究室の後輩(合唱部所属)が持っているとのことで貸してもらった。これも愛聴することになった。(ただしCDは未だに買っていない。)
 最初に買った彼女のCDは「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」(1997)である。既に大ヒットしたタイトル曲はデュエット相手Andrea Bocelliの「ロマンツァ」で持ってはいたが、中古屋で手に取ってみたところケース裏の曲目リストにJ. M. カーノ(Mecano)など少し気になる名前が目に留まったためレジに持って行った。ただし聴後の印象は「まずまず」のレベルだったため、1枚のみ所有という状態のまま数年が経過することになる。
 話は少し飛ぶ。ロリーナ・マッケニットのディスクを集めていたのと同時期だと思う。やはり美声歌手であるブライトマンのCDもコレクションに加えようという気になっていた。そうなると候補はやはりウェバーの作品集である。当時は2005年にリリースされた同内容(14曲入り)の国内盤「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソング・ブック2〜ラヴ・チェンジズ・エヴリシング」(UICY-1308)と輸入盤 "Love Changes Everything: The Webber Collection: Vol.2" の双方を通販サイトが扱っていた。(ところが、ややこしいことにポリドールはそれに先立つ95年にも「アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソングブック2」という17曲入りアルバム (POCP-7091) を出していた。伊語や西語ヴァージョンも含む異色盤とのことで、上記92年盤に続くものとして「2」としたのだろうが、これでは05年盤との混乱は避けようがない。全く困ったものだ。)また海外盤では97年発売の "Andrew Lloyd Webber Collection" (16曲入り、同内容の国内盤は未発売の模様)も入手可能だった。
 とにかく購入に際して問題となるのは収録曲目である。国内外から出ていた14曲入り05年盤は最重要曲 "Memory" が落ちていたため落選。一方、16曲入り97年輸入盤はその点では合格ながら、通販サイトで同曲を試聴したところ、私がテープで耳に馴染んでいた歌唱とは調性が異なっていることに抵抗を覚えてしまった。ならば廃盤となって久しい旧録音の入手を気長に待つしかないと思っていた頃である。(追記:2006年にUICY-1375として再々発された。)Yahoo!オークションにて「莎拉・布萊曼[愛改變一切]安コ魯洛依韋伯名作特撰(2)」を見つけた。どうやら台湾プレスで現地からの出品らしい。しかも驚いたことに先述した "Vol.2" とは中身が全然違う。それもいい意味で。曲目一覧の画像によれば何と36曲入りの2枚組らしい。第1集と第2集の全収録曲の他にも数曲を加えていると判明。「何か怪しいなあ」とは思ったものの、出品価格に海外向け送料を加えたとしても1500円程度で一挙に2枚が手に入るというのは魅力的である。調の相違問題はこの際忘れることにして入札に踏み切ったところ、そのまま落ちてしまった。詳細はディスク評ページに譲るが、届いた品は実際にも十分すぎるほど怪しかった。ところで、本ページ執筆のため私に対する評価一覧ページから件のオークションの詳細を確認しようとしたのだが、既に「該当のYahoo! JAPAN IDは削除されています」となっていた。やっぱりアゲられたか?

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