Ayer y Hoy
1994
COLUMBIA CDDI-470944

 前年リリースの "Luna" からは一転して民族音楽色を強めている。また翌年の "Hoyas de dos siglos" よりも伴奏楽器が多彩でトラック間のメリハリも利いている感じ。私としてはこれくらいの編成が丁度良い。特にコメントしたいと思ったほどの超名曲はないものの、名曲名唱揃いなのは間違いない。(9曲目の "No tengo dinero" (私はオケラ") など相当に剽軽な曲調ながら歌い方は至って真面目である。)聴後の印象も次作より良かったから、少し上乗せして92点にしとこか。(これも無難というか手抜き採点やな。)
 なお名曲メドレーの "México lindo y querido/Cielito lindo"(トラック12)のうち前者はフリオ・イグレシアス(やはりメドレー)に負けず劣らずの大熱唱に拍手を送りたい。また後者について私はこれまでカラッと(脳天気に)歌う曲と思い込んでいたが、ガブリエルの濃厚な歌唱によって違う魅力を発見できたことを感謝したい。
 次(ラスト)に収められた "Rayando el sol" の歌詞が付属の折り畳み紙に掲載されていないので「何でや?」とつい首を捻ってしまった私だが、ケース裏の曲目リストにも出ていないからボーナス・トラックのようにも思われない。どういう経緯で紛れ込んだのだろうか? それはともかく、ギターのみの伴奏による味わい深い歌はこの上なく素晴らしかった。

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