註2:「ファンオピ」の存在を知ったのは99年にスパイ疑惑が発覚した直後のことで、それに対するファンの反応が知りたかったからである。参加者同士による罵り合いの激しさを見かねた私は仲裁に入ったが、善意の言葉も額面通りには受け取ってもらえず、逆に非難されてしまう始末。(「不毛な議論は止めよう」と語りかけたら、「不毛」という言葉に過剰反応したらしく噛み付かれた。)とにかく雰囲気は最悪だった。思い出したが、掲示板の正確な呼称は「ファンズオピニオン4」で、昔からの常連によると既に3度も閉鎖されるという何とも情けない過去を持っているという話だった。後述するように結局は同じ運命を辿ることになってしまったが、それでもパート4は割合長く保った方のようである。時々ながらも書き込んでいた私の尽力のお陰でないのは言うまでもない。
 さて、ここからは険悪化に最も貢献(?)した常連投稿者についてしばらく語ってみる。私が初めて訪問した時に彼は「スーパー提言者」を名乗っていた。何でも「提言者」という投稿者(別人)がいなくなってしまったので、その後を引き継いだとのことである。その後は「ウルトラ提言者」→「パーフェクト提言者」と改名したと記憶しているが、主張は常に一貫していた。どんな書き出しをしても最後は「王監督は解任するべきです」で締め括っていたのである。(とうとう最後にはそれをハンドルネームにしてしまった。)要は「風が吹けば桶屋が儲かる」式のこじつけ手法、つまりホークスにとって好ましくない事態が生じると何であれ原因を監督に押しつけ、解任の根拠としていたのである。しかも全然関係のない話題のスレッドにまで片っ端からその種のレスを付けるのだから、付けられた方は堪ったものではない。ついカッとなって人格攻撃を仕掛けたら提言者の思う壺、彼はマナー違反を指摘しつつ皮肉タップリに応酬する。時には第三者(あるいは他人なりすまし?)が諫める振りを装って叩きに来る。こうなると泥沼と化すまでに大して時間はかからない。どうも本気で解任を要求するというよりは、他の参加者の気分を害することを目的としていた節がある。とにかく執拗なまでの連続投稿の後には火の手があちこちに上がり、掲示板は荒みに荒んでいた。
 私が呆れたのは、そして怒りを禁じ得なかったのは管理者である。個人情報が晒されるなど明らかな規約違反でもない限り何もしない。何件も削除依頼が出されていたようであるが、それが実行に移されたことは全くなかった。ネチケットに著しく欠ける投稿者に対する注意すらしなかったのではないか? そうなると悪質投稿者のやりたい放題となって掲示板が機能不全に陥るのは火を見るよりも明らかである。悲惨な状況は結局改善することがなく、ある事件(忘れた)が切っ掛けとなった大騒動に恐れをなしたのか、管理者は予告した日時きっかりに掲示板を閉めてしまった。ファンの非難の声を省みることは全くなしに。当時Kさんも管理者の怠慢には疑問を呈していたが、あれだけの大人数が参加する掲示板を放任同然というのはあまりにも無責任である。開設する資格なしと言われても仕方あるまい。そのクセ規約だけは事細かに書いてあった。これは私の持論であるが、約束事の多い掲示板にはろくなものがない。(指揮者あるいは食べ物の名前を入れるようにとハンドルネームを一部指定する程度なら全然抵抗はないが。)運営能力が無いからこそ前もって参加者を縛ろうとするのである。
 最後に「提言者」について。おそらくは現実世界に対する不平不満のはけ口として「ファンオピ」を利用していたのであろう。いわゆる「愉快犯荒らし」の1人に過ぎないが、ある意味気の毒な人種がやりそうなことではある。ただし手口があまりにも王(ワン)パターンで私は途中から飽きてしまった。(あんな餌に引っかかる方も引っかかる方だよ。全く。)それにしても閉鎖予告が出てからの畳み込みは今思い返しても尋常ではなかったが、いくら何でもやり過ぎではなかったか? 閉鎖後しばらく経ってから「ホークスタウン」を訪れたところ「ファンオピ5」として復活していたが、主催者側が懲りたのか登録自体をかなり厳しく制限するようになっており、以前と比べたら見違えるほど平穏な場所になっていた。つまり彼は自分の住処を自ら壊してしまったことになる。とはいえ、その頃は(私は存在すら知らなかったが)某掲示板サイトが着々と巨大化しつつあったはずだから、あるいは活躍の場をそちらに求めようとしていたのかもしれない。もっとも、あの無差別攻撃は素朴な相手には効果を発揮しても、スレた住人の巣窟では通用するはずもない。せいぜい「釣りご苦労様です」と労ってもらうのが関の山であろう。なお、ソフトバンクへの身売り以降、公式掲示板は特に設けられていないようである。

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