註1:私は数年前から「酔って騒ぐために同種の酒杯を重ねるというのは私の最も嫌う飲み方です」と職場の自己紹介ページに書いている。なお、そのページで用いた「カラオケは嫌い、歌は好き」 ─それ自体、バーンスタインの歌曲のタイトル「音楽は嫌い、歌は好き」のアレンジであるが─ という言い回しをもう一度使い回すならば、「飲み会は嫌い、酒は好き」という人間である。要は純粋に酒を嗜みたいのである。
 歓送迎会や忘年会といった学部の行事に積極的に参加しようという気にはならない(脚注1)。騒がしい雰囲気を好まないというのが最大の理由であるが、マイカー通勤(脚注2)のため道路交通法が足枷となってアルコールが全く飲めないというのもつまらない(脚注3)。その場合はソフトドリンクで我慢するしかない(脚注4)。また飲める場合でも、居酒屋では生のジョッキにせよ瓶にせよ皆がビールをグイグイ飲む(脚注5)のに対し、私がそれをさほど好まないということもある(脚注6)。特にアサヒのスーパードライ(脚注7)しか置いてない店と判ったら即座に帰りたくなる。あれなら麦茶のソーダ割りの方がマシだ。そういえば3月終わりの謝恩会はなぜか決まって彦根市内の某ホテルで開かれているが、酒類が飲み放題とはいいながらビールがスーパードライなのは何とかならんか? 割増料金を払ってもいいから好きな酒を飲みたいと毎年思う。また、これは件のホテルに限らないが、飲み放題コースの場合、ビールを回避して他の酒を求めたところで、ワインにせよ日本酒にせよ安物ゆえの酷い味だから逃げ道がない。戻って、居酒屋では勢いビール中心の飲み会となるため(脚注8)、私にはわざわざ外に飲みに行く魅力が感じられないということに尽きる(脚注9、ただし例外もあるので脚注10を参照)。
 ワイン好きであることは既に他所で触れたけれども、今は頒布会から毎月6本ずつ送ってくるのを毎週末に(1本を土日2日かけて)飲んでいる(脚注11)。安物(脚注12)だが、そこら辺のディスカウントショップで800〜1000円程度で売られている品と比較しても味は決して劣っていないので不満は全くない(脚注13)。日本酒は滅多に買わないが、正月休み用に地元湖南市(旧甲西町)の北島酒造による「黒松」(「御代栄」の大吟醸)の一升瓶(税込5250円)を買っている。とはいえ、贈答品の上撰あるいは佳撰クラスでも満足できる。つまり、ある程度のクオリティさえあれば構わないということであるから、私は許光俊と彼の先生の中間に位置するということになるだろうか?
 ここでひとまず註1を終える。結局は不平不満を書き散らすだけになってしまったので、隔離したのは正解だったかもしれん。とはいえ、このページ自体はこれまで括弧に入れてきたものを片っ端から脚注に送るという手法を初めて採用したものの、慣れないこともあって執筆には相当手間取ってしまった。その割には読みやすくなっているようにも思えない。相変わらず構成は整理されていないし、却ってゴチャゴチャになってしまったかもしれない。(今飲みながらこれを書いているせいもあるだろうが・・・・)よって今回限りとしたい。

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1:同僚の多くは彦根市内の職員宿舎に住んでいるが、直後に出てくるように私は自宅から通いなので圧倒的に不利だ。車なら酒を飲まずに我慢するしかないし、JRを利用するにしても自宅および職場から駅までの距離がともに近くないため、二次会に参加しなくとも帰宅が相当遅くなってしまう。これでは気が進まないのは当然だ。

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2:ただし3〜10月の土曜は雨天日を除き自転車で通っている。18.6kmを50分弱で走るというまさに手頃な有酸素運動である。

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3:ただし、職場内開催の場合はそのまま自室に戻り、寝袋にくるまって一夜を過ごすことができるため話は別である。なので、学生主催の各種パーティへの出席率はほぼ100%である。

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4:ビールテイストのローないしノンアルコール飲料は耐え難いほどの不味さである。

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5:水と違ってビールが1リットル程度なら軽く飲めてしまう理由について、よく言われるように「アルコールが胃でも吸収されるから」という理由は必ずしも正しくないそうだ。その吸収はせいぜい数%である。NHK-FM「日曜喫茶室」で聞いた話だが、ビールの苦み成分は喉にしばらくの間不快感を与え続けるという性質を持っているため、それを洗い流そうとする欲求が生じるとのことである。その繰り返しなのでブレーキがかかりにくいのだ。

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6:この点ではKさんも同じで、彼とのオフ会は専らワインである。なお、私はビールを店で買うということもほとんどない。昨年発売された「ゴールデンホップ」のような新製品をチェックする場合を除いて。

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7:そういえば鈴木淳史が「クラシック批評こてんぱん」にて宇野功芳の批評を批評していた。小澤の「エロイカ」をスーパードライに喩え、このようなものが受けるとするなら日本の食文化やクラシックの未来は暗いとする宇野に対し、鈴木は和食に合わせるために発展を遂げてきた日本のビールの「無味無臭」で水っぽいという特徴をスーパードライは強化させたからに過ぎないと述べる。が、私は大いに疑問だ。ならば、和食にはスーパードライでも、脂っこい、あるいは濃厚な外国料理を食べる場合には、鈴木が言う「水っぽい」という点で五十歩百歩というのが仮に本当だとしても、少しでも味の違うタイプを求めるはずではないか? けれども、料理の性質に合わせてビールの銘柄を変えるという話は聞いたことがない。職場内で開催される学生主催パーティでも、鍋とバーベキューの日でビールの種類が違っていたので感心したということもない。(もっとも今時の学生はビールよりも缶入りの酎ハイやカクテルの方を圧倒的に好むが・・・・・)要は麦の苦みよりも炭酸の刺激が先に立つというスーパードライのわかりやすい味が受けているに過ぎないのだ。明らかに鈴木の誤謬であろう。ついでながら、彼は「ビール職人」や「ヱビス」を「ドロドロしてまずい」などと言う人間はよっぽど特殊な感覚の持ち主であると決め付けているが、私はネット上でそういう主張を目にしたことが何度かある。うち1件はサントリーモルツを酷評しており、飲み会で複数のビールを準備すると最初になくなるのがスーパードライで、モルツでもヱビスでも味の濃いビールが決まって最後まで残るが、特にモルツの不人気は著しいという話だった。まあ、いい加減な憶測で利いた風なことを言うのはB級評論家の常であるから拘っていても仕方がない。なので、この位にして戻る。

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8:職場の同僚との少人数グループによる飲み会がこのパターンであるが、かといって自分1人が吟醸酒などを注文する訳にもいかないだろう。勘定が頭割りだからよほど食べないと損をする。なので貧乏性の私は意地になって腹に詰め込むことになり、皮下脂肪の厚みが増していく。一方、南米で数ヶ月をともに過ごした2人の「戦友」と年に1度都内で飲む場合は様相が全く異なる。彼らが厳選したという店は美味しい料理を手頃な値段で提供してくれるだけでなく、各地から選りすぐりの日本酒が取り寄せてある。それを冷酒にて飲み比べるのである。うまい料理と酒のお陰で昔話は自然に満開となる。

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9:ケチの付けついでだが、居酒屋に限らずコース料理というヤツが気に食わない。内容ではなく順番が。私はある程度腹が落ち着いてからでないと酒を飲む気にはならない。ところが、雑炊でも茶漬けでも、あるいは蕎麦でも、炭水化物主体の食物は大抵これでお開きという直前に来る。アルコールを効率よく分解するにはエネルギーが必要で、それが最も速やかに得られるのは、マラソン選手のレース直前の食事を見れば明らかなように糖質の燃焼過程によってである。タンパク質や脂質は遅いから向いていない。この自然の摂理を無視するとは何を考えているのか? ちなみに、私が自分で料理を作って飲み会を開く場合、イタリア料理のアンティパスタのごとく山盛りのスパゲティを最初に出すことにしている。それをしっかり食べておけば二日酔いに苦しんだりすることは決してない。ところで、アルコール分解の必要に迫られた脳は「糖分を補給しろ」という指令を出す。なので飲んだ後に麺類が食べたくなったりするらしいのだが、私はそういう飲み方をしないので理解できない。何にせよ、実際にはアルコールとそれまでの食物で十二分な栄養を補給しているにもかかわらず、さらに一杯のラーメンを食べたりすれば、余剰カロリーが皮下脂肪へと直結することは必定だ。止めておかれた方が良い。

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10:地元(居住地)の駅から歩いて5分ほどの場所にあるブルワリー兼レストランパブで常時数種類出しているビールはどれも実に美味い。モルトを通常製法の3倍も使用しているとのことで、とにかく濃厚な味が特徴だが、原価がかさむためグラス(290ml)が580円、ピッチャー(1600ml)が2400円と値も張るのが玉に瑕である。ところが、年2度(6&12月)の地元還元セールでは、それぞれ何と100円、500円に値下げされる(しかも制限なし)。普段は観光客相手にしこたま稼いでいるため、それを地元民にお裾分けしようという心意気だろうか?(とはいえ、料理の方は据え置きである。味は素晴らしいものの相応のお値段だからそれなりには散財する。なので店も決して大損するようなことはないだろう。)とにかく、毎年それを狙って(私が幹事となって)職場のさなぶり(田植祭)と秋仕舞(収穫祭)を開催している。店のイチ押しは「日本地ビール協会ビアコンペティションにてエール部門の金賞に輝いた」というエールのようだが、果実味に際立っていることが災いしてか私も含めこれまで試飲した同僚の間では「酸味が気になる」としてイマイチ評判が良くなかった。下面発酵のピルスナーおよび小麦を原料とするヴァイツェンの方が人気が高く、一方私が断然好きなのはスタウト(黒)である。ちなみに私にとって、これら飲み会は数少ない「ホームゲーム」である。勤務地彦根(アウエー)と違い帰宅時間を気にせずに済むから好きなだけ飲む。つまり、「ビール嫌い」「飲み会嫌い」の双方の例外なのである。

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11:月2本平均余るので学生との飲み会に提供している。

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12:送料&消費税込み価格を1本当たりに直してみたところ、定期購読(3年分まとめ払い)している「NATIONAL GEOGRAPHIC」誌の1冊分とほとんど同じになった。ちなみに、ワインをコンテナにより船便で輸入する際のコストと関税は1本当たり約250円とのことで、それに販売店のマージンを考慮すると現地価格は6割程度(400円弱)かもしれない。ただし、先述の経費は高級品でも大して変わりはなく税金は一定なので、ある程度の価格帯以上になると消費税率の高いEUよりも日本での売値の方が安いことは珍しくないそうである。

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13:一時期、日本の大手メーカーがフルボトルで400円前後という格安ワインを発売していたが、試しに買って飲んだところ涙が出そうなほど酷かった。自らブドウ畑とワイナリーを経営する玉村豊男が「日曜喫茶室」にて語っていたのであるが、あれは粗悪な輸入品を国内でブレンドしたという「国産」とは似ても似つかないワインであり、結果として「国産」のイメージをダウンさせた罪は重いと嘆いていた。飲み放題コースの激不味ワインもそれだったのかもしれない。玉村によると、本当の国産ワインの価格は今のところ同ランクの輸入品の数倍するらしい。にもかかわらず彼の造るワインは予約が殺到し、それこそ飛ぶように売れてしまうというのだから凄い。

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