この研究室ではどんなことが行われているのか

研究テーマの紹介


☆ 栽培法に起因する土壌環境変化がイネの根の発達に及ぼす影響の調査。

 土壌環境の影響はまず根の形態変化として現れてくるため、普段は目に触れることはない根の調査(こそ)が重要です。例えば、有機物を何年にもわたって投入するなどして「土つくり」を入念に行ってきた水田では、冷害による不稔や(近年滋賀県でも大きな問題となっている)高温による品質低下が軽減されるという事例が報告されています。 そこで、「土つくり→■■■■→ストレス回避」の■■■■(ブラックボックス)を明らかにしたいと考えています。(■■■■に入るのは言うまでもなく「根の発達」です。)


☆ 水田における不耕起移植栽培及び有機栽培体系の試み

 2000年から省力化のための不耕起移植栽培も一部の水田で始めました。これに加えてヘアリーベッチ(マメ科牧草)のすき込み、米ぬか散布、アゾラ(アカウキクサ)の投入によって施肥と抑草を行うという有機栽培(無化学肥料&無農薬)を試みてきました。しかしながら、不耕起栽培では米ぬかとベッチの分解がうまく進まないためか、予想したような効果が発揮されていません。(伸びてしまった雑草にはアゾラの被覆は手遅れです。)そこで今年は田植え直後に大量の籾殻燻炭を散布し、マルチング効果で雑草を抑えようとしましたが、水と一緒に燻炭が動いてしまい、ムラになった所から出てきてしまいました。生育旺盛な雑草は全くもって不足のない相手だと今更ながら思います。


☆ 畑地におけるコムギ・ダイズ二毛作不耕起栽培における収量と根系発達の調査

 これまでに圃場試験3年間を行いましたが、今年度からはプロットの半分をビニールハウスで覆って降雨を遮断し、乾燥処理と耕起法という二元配置実験にバージョンアップしました。


☆ ヨシ(蘆・葭)の生育特性に関する研究

 水質浄化植物として利用することを最終目標とした、この研究も視野に入れています。発根習性の大きく異なる系統の間で、水深や土壌条件といった環境要因に対する応答の違いを明らかにすることが狙いですが、ヨシがこちらの期待通りに育ってくれないのが悩みの種です。

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