愛改變了一切

莎拉布萊曼［愛改變了一切］安德魯洛依韋伯名作特撰之二
（The Andrew Lloyd Webber Collection: Volume Two）
2005
新力音樂（Sony Music Entertainment, Taiwan）　DSD-1158
　（表音文字ゆえ作曲家名についても異表記が混在している模様
　　例えば大陸の方では「安德鲁洛伊伟伯」等々）

　曲目一覧に「萬世巨星」、「歌劇魅影」、「貓」といった文字列が並んでいる。さて何でしょう？実は韋伯のミュージカル代表作で、それぞれ "Jesus Christ Superstar"、"The Phantom of the Opera"、"Cats" の訳語である。どれも判ってみればナールホドである。（ちなみに "Evita" は「艾薇塔」、つまり当て字である。）一方、曲名についても上の「愛改變了一切」（Love changes everything）の他、「回憶」（Memory）や「完美的一年」（The perfect year）等はそのまんまだが、「只有寂寞」（Anything but lonely）、「阿根廷別為我哭泣」（Don't cry for me Argentina）あるいは「星期天告訴我」（Tell me on a Sunday）を見ていると笑いが込み上げてくる。（さらに当盤収録曲ではないものの「心靈浸潤」(The heart is slow to learn)、「飛車追逐」(Car chase)、「月光女神」(La luna) ともなればミョーなイメージを抱いてしまいそうだ。）
　次に歌手紹介ページにて仄めかしておいた当盤のいかがわしさについて。ジャケット、曲目リスト、および歌詞カードが一続き（五つ折り）の紙だったのはまあ良いとしても、ディスク２枚がいかにも安っぽいペラペラ収納袋（不織布敷き）に入っていた。青裏ではなくレーベル面の印刷もそれなりだったが、これでは違法コピーの海賊盤にしか見えない。駄目押しながら「新力音樂股份有限公司版權提供　廣西音像出版社/發行」とあるものの、出版社の方はYahoo!奇摩（tw.yahoo.com）で検索しても出てこない。やっぱり地下組織と考えるべきであろう。またDISC１のみ部屋のMacでは認識されないのも困ったものだ。私にとっての重要曲が入っている方ではないから我慢するが。なお、DISC１は正規盤 "Love Changes Everything: The Webber Collection: Vol.2" の14曲（順番もそのまま）の後に４曲、DISC２は "Andrew Lloyd Webber Collection" の16曲（先に同じ）の後に２曲を加え、ともに18曲＆長時間（70分超）収録となっている。
　音楽の中身についてはあまり書くことが浮かばない。曲目リストの裏に書かれている「絶美的女高音」による佳曲が延々と続くので非常に心地よい。ただし、DISC１のトラック12 "No llores por mi Argentina"（阿根廷別為我哭泣─西班牙語版）、同15 "Il mio cuore va"（我心將追隨）、同18 "Time to say goodbye"（永志不諭、與安德魯波徹利合唱）、DISC２のトラック８ "Amigos para siempre"（友誼永在、與喬斯卡裏拉斯合唱）は他盤評で述べた理由により私は飛ばしている。なお、当サイトで散々貶しまくってきた卡裏拉斯だが、ここでの歌唱はまずまずだ。大仰な表現に走ることもある女性歌手とのバランスが取れているからだと思う。
　あとは "Memory"（回憶）について少し触れて終わる。出だしの "Midnight...." が変ホ長調である。以後転調を繰り返し、最後のリフレインの "Touch me...."（２分49秒～）でト長調になる。一方、私が馴染んでいた92年盤では変ロ長調→ニ長調だったと記憶している。（もしかしたら違っているかもしれないが、「暖色系」→「寒色系」であったのは確かである。なお調と色との関係についての私の考えは指揮者ドホナーニのページを参照のこと。）つまり当盤収録ヴァージョンの方がかなり高く、演奏効果では上回っているといえるかもしれない。だが私の印象は違う。旧録音の方が先述した転調部分を境に「暗から明」、あるいは「過去・現在から未来へ」という切り替えを鮮烈に思い浮かべることができるからである。それを入手するためだけに再々発盤を買おうとまでは思わないが。
　再生に値する曲の比率（32／36＝0.88888････）をそのまま当盤の点数にしようかと思ったが、 "Memory" の調問題により２点引いて87点とする。それにしても本ページの執筆は疲れた。繁字体を表示させようとムキになり、漢字検索やコード検索にえらく時間を食ってしまったからである。またATOKの変換候補でもヘンな漢字が上に来てしまった。

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